洗口液(マウスウォッシュ)は効果があるの?効果的な使い方が知りたい!
2023年04月10日
寝る前にマウスウォッシュでうがいをしているから、歯磨きはしてないです。
という方がときどきいらっしゃいます。
CMや動画を見たら、歯と歯の間の汚れまで全部落としてくれるような気がしますよね。
実際使用すると、爽快感が得られるため、きれいになったと錯覚してしまいます。
しかし、虫歯や歯周病の原因となる歯垢は歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ等を使った歯磨きでこすり落とさないと落ちません。
洗口液はあくまでも歯磨きに追加することで、最大限の効果が引き出されるものだと思ってください。
目次
洗口液と液体歯磨
同じ液状のため、混同されやすいのですが、洗口液は「適量を口に含んですすいでから吐き出す」もの。
洗口液はマウスウォッシュ、マウスリンス、オーラルリンス等、ドラッグストアでは、多くの名称で販売されています。学術発表でも用語は統一されていません。
海外では「mouthwash」「mouthrinse」どちらも洗口液という意味で使用されていますが、mouthwashの方がメジャーなようです。
ドラッグストアで販売されている商品には、洗口液が使用されています。
液体歯磨は「適量を口に含み歯磨きする」もしくは、「適量を口に含み吐き出した後歯磨きする」ものです。
液体歯磨は歯磨きすることが前提となっているため、法律によって表記できる効能が洗口液よりも多くなります。
デンタルリンスという名称で販売されていることが多いようです。
リンスがつけば歯磨剤というわけではなく・・・
メーカーによっては、○○リンスが洗口剤ということもあります。
これはどちらかな?と迷ったら、商品の裏側を見てください。洗口液か液体歯磨が表示されています
医薬部外品と化粧品
洗口液には医薬部外品と化粧品という種類があります。
有効成分が入っているものが医薬部外品、入っていないものが化粧品です。
洗口液全てが医薬部外品と思ってしまいますが、化粧品もありますので、表示をよく確認しましょう。化粧品に分類される洗口液は、洗口を行うことで口の中をきれいにすると同時に香料のマスキング効果(臭いを強い臭いで一時的に覆い隠す)による口臭予防効果がありますが、口臭の原因除去をするわけではありません。
同じブランド名の洗口液でも、医薬部外品と化粧品があります。
表示をよく確認して、選びましょう。
洗口液を使うとどんないいことがあるの?
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お口の中の細菌数を減らすことができる
お口の中のトラブルの原因となる細菌の塊「バイオフィルム」は歯だけではなく、舌や粘膜、喉にも存在しているといわれています。
口の中のバイオフィルムは歯の上が一番多く、バイオフィルム1㎎あたり10億個、口腔粘膜や舌の上、歯周ポケットにも約1億個の細菌が存在しているといわれています。
洗口液は、歯の上だけではなく、お口全体の細菌数を減らすことができます。
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口臭予防に効果がある
フラボノイドの口臭抑制効果は口臭原因物質と直接反応することで、口臭抑制効果が期待できます。それに対して、CHC(グルコン酸クロルヘキシジン)やCPC(セチルピリジニウム塩化物)を薬用成分とする医薬部外品洗口液の口臭抑制効果は、口臭の原因となる細菌への殺菌効果や増殖抑制効果によって、細菌を減少させることで口臭抑制効果を発揮します。
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歯磨きが困難なときに使用できる
歯ブラシを使うのが難しいときや妊娠中で歯ブラシを入れると吐きそうになる場合など、歯ブラシを使えないときに口の中を清潔にすることができます。
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災害時に水の代わりに使用できる
災害時に、水が使えないとき、洗口液を使用して歯磨きをすることができます。
洗口液はいつ使ったらいいの?
洗口液は歯磨きの後に行うのが効果的です。
歯磨きをせずにうがいをしても、効果を最大限に引き出すことはできません。
また、歯磨き直後よりも少し時間をおいてから(少なくとも5分以上!)使用する方がいいでしょう。これは、歯磨き粉の成分と反応して効果が弱まること、歯磨き剤に含まれるフッ素をはじめとする薬用成分が洗口液に洗い流されることを防ぐためです。
洗口液も、ボトルの大きなタイプから個包装タイプで様々な容量が販売されており、外出先などで口臭のマスキングのために使用するという方もいるでしょう。
夜は就寝前に使用するのが最も効果はありますが、日中はいつでも使用したいときに使用してください。
有効性が認められている使用方法は、「有効性が証明されている洗口液10ml以上用いて、1日2回30秒以上の洗口を行う」だそうです。
ご参考になさってください。
洗口液の選び方
1.効果別に選ぶ
洗口液はおもに5つのカテゴリーがあります。
①フッ化物洗口液
虫歯予防と歯の強化https://www.aobahiro-dc.com/column/2023/2712/
②殺菌成分を含む洗口液
バイオフィルム付着抑制効果と歯肉炎予防効果
③口臭を抑制する効果がある洗口液
口臭原因物質を抑制、口臭原因菌への殺菌効果
④歯石がつくのを抑制する効果がある洗口液
歯垢が石灰化するのを防ぐ
⑤保湿系洗口液
口が乾く症状の対症療法
どれを重視したいかで、選ぶ洗口液が変わります。
虫歯が気になる人は、虫歯予防効果の高いものを。
歯周病が気になる人は殺菌成分の入ったものを。
それぞれ欲しい効果によって選ぶものが変わります。
深い歯周ポケットに効果がありますか?というご質問をいただきますが、
洗口液は歯肉の下0.1㎜までしか浸透しないため、歯周ポケット内に直接の殺菌作用はありません。しかし、歯肉の上のバイオフィルムが制御されることで、歯周ポケット内の細菌が減少するといわれています。直接の効果はないけれど、間接的には効果があるということになります。
2.年代別に選ぶ
幼児や児童は、主に虫歯予防と歯の強化が必要となりますから、フッ素洗口液。
青年期は虫歯と歯肉炎や口臭予防が中心になりますので、フッ素洗口や殺菌成分を含む洗口液、口臭抑制効果のあるものを。
壮年期は、歯周病になる方がでてきます。特に殺菌成分を含む洗口液が有効となります。
更年期は、ホルモンバランスが変化することで、さまざまな症状が出てきます。口が乾くという症状が出てくる方もいます。その場合は、保湿系洗口液の使用を検討します。
老年期は大人虫歯と言われる、歯の根元にできる虫歯が多くなってきます。歯周病も進行している方が多くなります。また、いろいろな病気になっている場合も多く、唾液減少や、口の渇きなど様々な症状を引き起こしており、その方によって、必要な洗口液を選択する必要があります。
3.アルコールかノンアルコールタイプか
洗口液の薬用成分を溶かすためにアルコールが使用されていますが、人によっては刺激を感じてしまい、長くうがいができないこともあります。
そのため、各メーカーがアルコールを微量にしたり、ノンアルコールにしたりしています。
ノンアルコールタイプと表記がなければアルコールが入っています。
洗口液は長く使い続けることが大切ですので、使用感のいい方で選んでください。
洗口液に対して、口臭予防効果を期待して使用している方は多くいらっしゃいますが、口臭の原因は、虫歯や歯周病、舌苔(舌の表面に付着する細菌や粘膜のはがれたもの)義歯の清掃不良などもあるので、洗口液だけで口臭を予防できるわけではありません。
ご自身で行うセルフケアの他に、歯科医院での治療が必要な場合もあります。
洗口液を使っていて効果がイマイチ、この洗口液でいいのかな、そもそも使った方がいいの?など気になることがありましたら、当院スタッフまでご相談ください。