歯ぐきが下がってきた気がする!その1~やせてきた!?どうして?
2024年02月29日
歯ぐきがやせた気がする、歯が長くなった気がする
最近少し歯の間に隙間が出てきた感じがする・・・
ということはありませんか
目次
歯ぐきが下がる(歯肉退縮)原因は主に4つ
1.加齢的なもの
2.誤ったブラッシング
3.歯周病
4.噛み合わせによるもの
歯周治療のガイドライン 2022
https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_perio_2022.pdf
1.加齢的なもの
患者様も、よく、加齢だから仕方ないと思われることも多いようです。
若干の歯肉の下がりは加齢によっておこります。
歯を支える骨の吸収があるためにそれに伴って歯茎が下がると言われています。
全身やお口の健康を保つことで、歯ぐきの下がるスピードを遅くできる可能性はあります。
2.誤ったブラッシング
歯を守るためにしている歯磨きで歯ぐきが下がってしまう・・・
適切な歯磨きであれば、問題ありませんが、不適切な歯磨きをしていると歯ぐきが下がってしまいます。
ゴシゴシとすると、しっかり磨くことができて、汚れも落ちているような気がしますが、力を入れてゴシゴシと磨いている方は要注意!
歯磨きで過剰な力がかかっている「オーバーブラッシング」という状態になっている可能性があります。
歯ぐきに過剰な力がかかると、歯ぐきの根元が下がってしまいます。
一度歯ぐきが下がると自然に元には戻すのは難しくなります。
多少、改善することはありますが、元通りというほどではありません。
実は、力を入れすぎると、歯ブラシの清掃効率が落ちてしまいます。
適切な圧力は120~150g程度と言われています。
歯ブラシの毛先が広がらない程度です。
気になる方は計量してみてください。
はかりに歯ブラシをあてて力を入れてみてください。
できるだけ小刻みに動かすことで汚れを落としましょう。
力を入れれば汚れが取れるというものではありません。
たまに、歯石を取ろうとしてゴシゴシしてしまう方がいますが、硬くなって歯石になってしまったら、歯磨きでは取ることができません。
歯石は歯医者さんで取ってもらいましょう。
また、歯ブラシの毛の方さが「硬め」の方、特に力の入れ方に気を付けましょう。
硬い歯ブラシを使っていると歯ぐきも下がりやすいと言われています。
最近は、力を入れすぎないように工夫された歯ブラシもあります。
力を入れるとカチッと音がしてしなり、強すぎるブラッシング圧を逃がします。
使うのに慣れが必要な歯ブラシにはなりますが、力加減を確認するには有効です。
まずは力加減をしっかりとマスターしましょう。
歯磨きの仕方、歯磨きの際の力加減も確認しますので、気になる方は当院の衛生士にご相談してくださいね。
3.歯周病
歯周病は血が出る、歯ぐきが腫れる病気だろうと思われている方も多いのですが、それだけではなく、歯周病が進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまい、最終的に歯を失う原因になる病気です。
歯槽骨が溶けると、伴って歯ぐきも下がります。
少し大げさに国民の8割の人が歯周病と言われた時もありましたが、8割とは言わなくとも実際に歯周病になっている人は多くいると言われています。
歯周病は初期の段階では自覚症状があまりありません。
歯磨きのときに出血するなどのちょっとした変化のある段階で歯医者さんに診てもらう方がいいでしょう。
※参考サイト e-ヘルスネット 歯周疾患の有病状況
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-004.html
4.かみ合わせ
噛む力が強すぎる場合、歯ぐきや歯槽骨に負荷がかかるため、歯ぐきが下がることがあります。歯肉に力が加わることで、特に歯肉が薄い部位では、歯ぐきが下がりやすくなります。
矯正などで不適切に歯や歯ぐきに力がかかると歯ぐきが下がることがあります。
歯ぐきが下がると起こること
- 歯がしみる
- 虫歯になりやすい
- 歯の間に物が挟まる
- 見た目
歯ぐきが下がると、歯の根元が出てきます。
歯の根元は構造的に弱いので、しみやすく、虫歯になりやすくなります。
歯ぐきが下がると、歯の間に隙間もできてきますので、食べ物が挟まりやすくなります。
前歯などは、見た目で気づかれることが多いのですが、だんだん、歯が長くなってきたことで、老けた感じがすると気になさる方もいます。
歯ぐきが下がりやすい人はいるの?
もともと、歯を支えている骨(歯槽骨)が薄い、歯ぐきが薄いという方の場合は、歯ぐきが下がりやすいので注意が必要です。
傾いている歯やねじれている歯も骨が薄かったり、骨が無いことが多くあります。
そのような歯は歯ぐきも薄く、さらにブラッシングの際の力もかかるために、歯ぐきが下がるリスクが高くなります。
例として、前歯の歯並びが重なっていて、外側に出ているという歯は、歯ぐきが下がりやすい歯になります。
歯ぐきが下がる理由の一つに歯周病がありますが、歯周病の方も歯ぐきが下がりやすいので要注意です。
歯肉の下がりは治るの?
下がった歯ぐきが自然に元に戻るのは難しいです。
オーバーブラッシングが原因の場合は、改善すれば多少は元に戻ることはありますが、骨が無いところに歯ぐきだけが戻ってくる可能性はあまりありません。
下がった歯ぐきを元に戻すには、手術を行う必要があります。
「根面被覆術」といわれる手術になります。
いくつか方法があります。
横にある歯ぐきを移動させて下がった部分を覆うものや、今ある歯ぐきを引っ張り上げて下がった部分を覆うものや、上あごの内側の歯ぐき(口蓋歯肉)を切り取って、下がった部分に移植するなどの方法です。
これらの根面被覆術はどんな状態の歯でも適応できるものではありません。
歯と歯の間の歯槽骨が無くなってしまうと適応できないのです。
適応できる患者様であっても、手術する方はあまりいらっしゃいません。
歯ぐきが下がっているからといって、特に炎症もなく、歯磨きが適切な状態であれば積極的な治療対象にならないことも多いのです。
これから歯ぐきが下がらないようにメンテナンスをしていくことで対応している方が当院では多くいらっしゃいます。
歯周病が進行していないか、歯磨きが適切かなどを確認することで、歯ぐき下がりのリスクを下げるのです。
特に歯磨きはご自身でできることですので、適切な歯磨きができているか一度歯科医院でみてもらうといいでしょう。
歯を残すためにも、定期的な歯石取りは必要ですので、ついでに確認してもらうといいでしょう。
あおばヒロ歯科クリニックでは、歯磨き、歯ぐきに関してのご相談も承っています。
遠慮なく当院スタッフにご相談ください。