子どもの歯みがき中の事故について
2024年04月26日
お子さんが自分で歯磨きをしたいと言ったら・・・
親の真似をして歯磨きをしようとするのは、とてもいい習慣の始まりです。
是非、応援してあげて欲しい!のですが、
少し気を付けて欲しいことがあります。
目次
歯ブラシが危ない!?
子どもの歯みがき中に、歯ブラシが喉に刺さったり、転倒して怪我をしたりする事故が近年増加しています。
東京消防庁管内では、5歳以下の乳幼児が歯ブラシで受傷した事故により、令和4年までの5年間で182人が救急搬送されており、特に1、2歳で多く発生しています。
転倒して歯ブラシが上あごに刺さった、人とぶつかってと歯ブラシを喉の奥に刺した、加えたまま歩き回り、転倒したなどです。
のどの近くには大切な血管や神経があり、それらを傷つけてしまうこともあります。
また、口の中の雑菌により感染症を起こすこともあります。
ほとんどは軽症ですが、入院が必要になる場合もあります。
※参考サイト 東京消防庁
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/children/hamigaki.html#top
※参考サイト 消費者庁 歯ブラシがのどに刺さる事故
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20230608/
※日本小児科学会 Injury Alert
https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=35
事故を防ぐために
1.歩かせない、走らせない
東京消防庁によると、歩いたり走ったりする事故で全体の4分の3を占めているとのことですので、歯磨き中に保護者がそばについて、歩かせない、走らせないようにするだけで、多くの歯みがき中の事故を防止することができます
2.座って歯磨き
転倒したりしないよう、床に座らせて安定した姿勢で歯磨きをさせると良いでしょう。
もし立ち上がってしまったら、そこで歯磨きは終了しましょう。
忙しい中大変ですが、子どもの歯磨きは長い時間ではありません。
歯みがきが終わるまではそばで見守りましょう。
3.環境を整えましょう
周囲にも声をかけて、子どもにぶつからないように注意を促しましょう。
子どもの導線に物を置かないようにしましょう。
ソファーなど不安定な場所で歯磨きはしないようにしましょう。
うがいの際には踏み台を利用することがありますが、歯ブラシをくわえたまま踏み台に上がるのではなく、必ず歯ブラシを置いてから踏み台に上がるように習慣づけをしましょう。
4.歯ブラシは、子供用を使用しましょう
大人が使用するような歯ブラシや、仕上げ磨き用の柄の長い歯ブラシは、転倒時に危ないので、子どもの口のサイズに合ったものを選びましょう。
お口の中に入らないようにつばがある歯ブラシ。持ち手がリング状になっている歯ブラシや、最近は、力をかけると柄が曲がるタイプの歯ブラシもあります。
安全に磨くことができるものを選びましょう。
仕上げ磨きの歯ブラシとお子さん用の歯ブラシは別にするのがポイントです。
もしも歯ブラシを喉にさしてしまったら・・・
軽症で自然治癒することも多いといわれていますが、傷の場所や程度によっては,重篤な症状になることもあります。
まずはおちついてお口の状態を確認しましょう。
歯ブラシが元の形のままかどうかを確認しましょう。
もし、折れていた場合は、その破片を探しましょう。
破片が見当たらないときは、体の中に残っているのかもしれません。
すぐに病院へ行きましょう。
首の痛みを訴えたり、変な声になっていたり、息が苦しそうだったり、しゃべることができないなどの症状があるときも速やかに病院を受診しましょう。
頭頚部のCTやMRIで画像診断ができる病院が望ましいです。
救急を受診する際には、何が刺さったかが診断の助けになることがありますので、刺さった歯ブラシか、同形の歯ブラシを持っていくといいでしょう。
お口の中にちょっと赤い部分があるだけに見えても、歯ブラシが中まで入り込んでいたということもあるので、画像検査が必要であると東京女子医大の報告でも述べられています。
機嫌よく過ごして、痛みを訴えていないときも、翌日には画像診断のできる耳鼻科、口腔外科を受診するようにしましょう。
後日症状が出てくることもありますので、気を付けて様子をみてください。
※参考サイト 口にくわえたものによる小児口腔外傷12例の検討 東京女子医大
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歯磨き習慣は一生涯続く大切な習慣です。
せっかくの歯磨き、事故にならないよう安全対策をして楽しく歯磨きをしましょう。
上手く歯磨きができているか不安な時には、当院のスタッフに相談してくださいね。