子どもの歯ぎしりが心配!
2024年06月28日
子どもの歯ぎしりがひどいので、心配なのですが、大丈夫ですかという質問をよくいただきます。歯ぎしりとは、上下の歯をかみ合わせたり、かみしめたり、噛んだ状態で動かしている現象です。寝ている時だけでなく、日中起きている時に歯ぎしりをしていることもあります。仕上げ磨きをしているときに、歯がすり減っているのをみるとさらに心配になりますよね。
子どもの歯ぎしり
10~20%のお子さんが寝ている間に歯ぎしりしていると言われています。
未就学児から就学児にかけて多くなり、小学校低学年に20%でピークとなり、その後は成長とともに減少します。
成長とともに減少していきますので、歯ぎしりへの対応は基本的に経過観察で基本的に歯問題がないことが多いです。
歯ぎしりの原因
子どもの歯ぎしりの原因についてはよくわかっていません。
睡眠の質の低下やいびき、ストレスや不安、緊張を感じることが多い、夜更かしやゲームやメディアを見ているなどの生活習慣等、その他として遺伝的要因が影響しているのでないかと推察されています。
次に生えてくる歯の位置やあごの位置を決めようとする生理現象で、かみ合わせの変化に対応するためにすり合わせることで咬みやすくしているのではないかともいわれています。しかし、これらが原因であるという科学的な根拠はありません。
原因の一つとして、乳幼児期、特に新生児期の睡眠時間が短いと、ブラキシズム(はぎしり)の発生率が高くなる傾向があると東北大学から報告されました。
特に2歳と4歳時に習慣的な歯ぎしりがある子どもは、新生児期における睡眠時間の短さとの関連がより顕著だったそうです。
この研究結果により、新生児期の良質な睡眠習慣が、将来的に歯ぎしりのリスクを下げるのではないかという可能性があるそうです。
※参考サイト 東北大学 2022年のプレリリース・研究結果
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/09/press20220901-01-sleep.html
今後の報告が待たれるところです。
歯ぎしりの影響
歯ぎしりがあると、歯のすり減りが起こります。
多少のすり減りで乳歯に痛みが出るということは、あまりありません。
乳歯の歯ぎしりは様子を見ていても大丈夫なことが多いです。
7~8か月頃
前歯だけが生えている頃の歯ぎしりは、歯を合わせてカチカチ遊ぶために、歯ぎしりになることがあります。長時間していて心配なときは、気を他にそらすために、他の遊びに誘うなどしてみましょう。声をかけてあげるだけでもいいと思います。
奥歯が生えてくればかみ合わせが変化しますので、そのまま成長を待ってみましょう。
2歳~3歳頃
乳歯が生えそろう頃の歯ぎしりに対して、何か治療した方がいいのではないかと思われる保護者の方もいらっしゃいますが、3歳までは通常の歯科治療をすることが年齢的に難しいです。
このころの歯ぎしりで深刻な状態になることはあまりありませんので、様子を見ていきましょう。
4歳以上
永久歯が生え揃うまでの歯ぎしりは、あまり心配ありません。
しかし、長時間、長期間の歯ぎしりやひどい歯ぎしりの場合、歯の極端なすり減りや歯が欠けるなどの悪影響を与える可能性があります。
多少のすり減りは問題ありませんが、仕上げ磨きのときに、極端にすり減って心配な時、抜け替わる予定がないのに揺れているとき、歯並びに問題があるときは、歯医者さんで一度相談するといいでしょう。
永久歯が生えそろう頃
中学生になってひどい歯ぎしりをしているという時は、歯への影響(歯がすり減る、歯が欠ける、知覚過敏、歯が揺れる)や顎関節に影響があることもあります。
そのような場合には、夜間装着するナイトガードといわれるマウスピースを使用しても売らうこともあります。
成長の状態・症状によりますので、歯医者さんとご相談ください。
歯ぎしりの対策は?
子どもの歯ぎしりは多くの場合、自然に落ち着いてくることが多いです。
歯ぎしりの原因が不安やストレスの場合は、生活環境に慣れたり、生活習慣を改善したりすることで歯ぎしりがよくなることがあるかもしれません。
十分な睡眠をとる、ストレスを減らすような工夫を試みてください。
心配があれば、歯医者さんに相談しましょう。
まとめ
子どもの歯ぎしりは、基本的に経過観察になることが多いです。
歯がすり減って痛い時や、顎関節に症状が出ることがあれば、歯医者さんで対処療法をすることになります。
心配なことがあれば、歯医者さんにご相談くださいね。