乳歯がグラグラする

2024年10月01日

乳歯がグラグラ揺れてくると、お子さんは、いつ抜けるのかな?と気にし始めます。

順調に抜けて生え変わる場合は問題ないのですが、結構前から歯は揺れてきているけれど、いつまでも抜けないというときには心配になりますよね。

今回は、グラグラ揺れてきた乳歯についてお話したいと思います。

乳歯がグラグラするのはどうして?

西宮北口 歯医者 乳歯がゆれる顎の中には乳歯の下に、永久歯のもとになる歯胚があります。

歯胚が成長して、ある程度永久歯ができてくると、永久歯の上にある乳歯の根を少しずつ溶かして永久歯が上がってきます。

根が溶け、歯を支えている乳歯の根が短くなると、支えが弱くなり、乳歯がグラグラ揺れ始めます。

乳歯がグラグラして抜けて、永久歯が生えてきます。

抜くときのタイミングは?

乳歯から永久歯に生え変わる時期はだいたい平均的な年齢があります。

※参考サイト テーマパーク8020 歯とお口の発生と育ち方

https://www.jda.or.jp/park/function/teeth-grow.html

※当院ブログ 永久歯の生え変わる時期について

https://www.aobahiro-dc.com/news/2024/4744/

歯の生え変わる時期に歯がグラグラしてきたら、歯を抜いてもいいということになります。

生え変わる時期でもないのに、歯が急に揺れてきた場合は、他の原因がある可能性がありますので、歯医者さんに相談してくださいね。

通常は、歯の生え変わる時期に、なにかの刺激で乳歯が自然に抜け変わることがほとんどです。

前後1~2年の差はありますが、はじめの生え変わりは6歳前後で起こります。

奥に6歳臼歯といわれる第一大臼歯が生え始め、下の前歯がグラグラし始めます。

乳歯がグラグラしてくると、お子さんも気になって触ったり、磨きにくかったりするので、抜きたくなってしまうかもしれません。

歯も揺れているし、抜けるかもと思って触ってみても、歯ぐきから歯が離れないようなときは、無理に抜くのはやめた方がいいです。

その段階の揺れで抜くのは痛みを伴ったり、歯の根が歯ぐきの中に残ったりするリスクがありますので、心配なら歯医者さんに相談する方がいいでしょう。

 乳歯のグラグラ、このままで大丈夫?

乳歯のグラグラがすすんで、歯ぐきからほとんど歯が離れていて歯がプラプラしてきた、歯の一部分だけで歯ぐきにくっついているくらいになれば、普通に生活していれば抜けていくことが多いので、そのまま様子をみても大丈夫なことが多いです。

お子さんには、気になるけど、そのまま抜けるのを待とうねとお伝えください。

乳歯が何かに引っかかっていて、それ以上揺れが進まないという場合は、歯医者さんに相談してください。

 家庭で抜いていいのはどんなとき?

先に述べた、歯ぐきからほとんど歯が離れていて歯がプラプラしてきた、歯の一部分だけで歯ぐきにくっついているくらいになれば、ご家庭でも抜くことができるかと思います。

どうしても邪魔で、抜きたいという時には、まずは感染しないように、歯磨きをして、手をきれいに洗ってから清潔な状態で始めてください。

指でつまんで引っ張る、揺さぶって引っ張るなどをすれば抜くことができますが、多少の痛みはありますので、一瞬は我慢する必要があります。

フロスを使って抜くという方法もありますが、どのような状態でもできる方法ではありませんので、使うときはご注意ください。

あとほんの少し歯ぐきと乳歯がくっついているという状態の時に使用可能です。

フロスは歯に結び付けるのではなく、乳歯と歯ぐきの境目に1回巻き付けて、キュッと左右に引っ張ります。

フロスを引っ張る勢いによっては、歯がポーンと口の外に飛びますので、周囲には気を付けましょう。

どの方法でも、抜いた後は血が出ますので、清潔なガーゼやコットンを抜いたところにあて、しっかり噛んで圧迫すると血が止まってきます。

目安は5分程度です。

舌などで触ると多少の出血はでますが、数日でおさまります。

歯がグラグラし始めたら、自然に抜けるのを促すために、子ども本人が少しずつ揺らすようにしてもいいでしょう。

通常通り生活していれば、歯は自然に揺れてきます。

乳歯と永久歯を間違えないで!

生えたての永久歯も少し揺れます

間違って乳歯と同じように揺らさないようにしましょう。

お子さんは、揺れる歯を気にして触ることが多いです。

たまに、間違って永久歯を揺らしていることもありますので、お子さんが歯を触っているときには一度確認している方がいいでしょう。

こんな時は歯医者さんで見てもらいましょう

生え変わりの時期には次のようなこともあります。

次のようなときは歯医者さんでみてもらいましょう。

1.乳歯が抜けていないのに、他の場所から永久歯が出てきている

2.乳歯が割れている、欠けている

3.乳歯が膿んで、揺れている

4.生え変わりの時期でないのに早く揺れてきた

5.反対側の歯は抜けたのに、同じ位置の乳歯が揺れない

6.乳歯は抜けたけど、なかなか永久歯が出てこない

1.乳歯が抜けていないのに、他の場所から永久歯が出てきている

時間がたてば乳歯が抜けていくこともありますが、抜けずに歯並びに影響が出てしまうこともあります。この場合は歯医者さんに相談した方がいいでしょう。

2.乳歯が割れている、欠けている

乳歯が割れたり、欠けたりしている場合は乳歯が全部抜けずに一部残ってしまう可能性があります。

3.乳歯が膿んで揺れている

乳歯に膿がたまると、歯ぐきが腫れてきます。

歯もグラグラしていていることもあります。

根が短くなっているときには、根の治療ができないこともあります。

その場合は抜歯になることもあります。

4.生え変わりの時期でないのに早く揺れてきた

早い段階で歯が揺れている場合は、歯が折れていたり、根の状態が良くなかったりすることがあります。

5.反対側の歯は抜けたのに、同じ位置の乳歯が揺れない

左右差はありますが、だいたい同じくらいのタイミングで反対の歯が生え変わることが多いです。右側は抜けたのに左側がいつまでも抜けないということがあります。

片方が抜けたのに、半年たっても、もう片方が抜ける気配がないという時は、歯医者さんで見てもらいましょう。もともと、乳歯の下に永久歯が無いこともあります。

定期的に歯医者さんに通っていれば、確認してもらうことがあるかと思いますが、小学校になってから歯医者さんを受診していない、レントゲンを撮影していないという方は、

一度永久歯があるのか確認してもらう方がいいでしょう。

6.乳歯は抜けたけど、なかなか永久歯が出てこない

なかなか永久歯がでてこないときには、一度永久歯の状態を確認してもらう方がいいでしょう。歯の大きさに比べて生えてくる場所が足りない場合は生えてくるのに時間がかかります。また、歯が変な方向に向いてしまっている可能性もあります。

かなり稀ではありますが、過剰歯といって、余分な歯が本来生えてくる歯を邪魔してしまい、生えてこないこともあります。

レントゲンで確認してもらう方がいいでしょう。

歯医者さんで歯を抜いてもらう時には

歯を抜くときに、麻酔はしないといけませんか?と質問を受けますが、麻酔無しで抜くと痛みがあります。

かなりプラプラしたような歯であれば、少し痛みを我慢してもらえるならば、麻酔が無くても抜歯できるかもしれませんが、思った以上の痛みでつらい思いをするかもしれません。

通常歯医者さんで抜かないといけないような場合は、麻酔は必要です。

麻酔時は、じっとして歯医者さんの椅子に座ることが必要となりますので、お子さんがその処置に耐えられるかどうかも含めた診断となります。

麻酔はだいたい2~3時間くらいで効果が無くなりますが、その間はお食事を避けていただく必要がありますので、抜歯を希望される場合は、そのつもりで受診した方がいいでしょう。※麻酔が切れる時間には個人差があります

ただでさえ、怖いイメージの歯医者さん、必要以上にお子様に歯医者さんが怖いところというイメージを持たせてしまいますと、治療がスムーズにいきません。

怖い~といって口をあけてくれないことも。

保護者は抜歯してもらうつもりでも、お子さんへは、見てもらうだけだから、痛くないからと説明して歯科に連れてくる方がいます。

怖がらせないようにの配慮かと思いますが、お子さんが、抜歯って聞いていない、嘘をつかれたとかえって抜歯を嫌がる原因となりますので、抜歯希望で受診される際は、見てもらうだけという説明は避けていただく方がいいと思います。

当日抜歯ができなくても、その次の回に気持ちが落ち着いて抜歯ができることもあります。

抜歯するかどうか、歯医者さんとよく相談してください。

まとめ

グラグラ揺れてきた乳歯の多くは、問題なく生え変わりますが、場合によっては、歯医者さんで治療が必要なこともあります。心配な時は、歯医者さんに相談してください。