歯の間に隙間がでてきたな・・と思ったら、歯間ブラシ
2024年11月29日
歯と歯の間に隙間が見えてくると、歯ブラシをしっかりあてないと間の汚れが取れてこないということが起こります。
また、隙間によっては、歯ブラシだけでは磨ききれない場合も。
そんな時は、歯間ブラシを試してみませんか?
歯周病が気になる方にもお勧めです。
目次
歯ブラシだけでは難しい歯磨き
当院では、まずは歯ブラシのみでどこまで磨くことができるかを確認しています。
年齢が上がってくると、手先の動きが鈍くなったり、細かい動きがだんだんできなくなったりする方が出てきますので、なるべくシンプルに、多種類のグッズを使用せず継続できるセルフケアを提案したいと考えているからです。
確認してみると、どうしても歯ブラシだけでは磨くことができないところが出てきます。
それが歯と歯の間です。
一般的に歯ブラシのみでは60%くらいしか歯垢(歯の汚れ・細菌の塊)を落とすができないと言われています。
歯ブラシに追加して歯間ブラシを使うと85%、歯ブラシに追加してフロスを使うと79%の歯垢を落とすことができると言われています。
どんなにシンプルにしようとしても、しっかりと歯垢を落とそうと思うと、歯ブラシ+α(歯間清掃具)は必要になってきます。
※参考サイト 日本歯科医師会 お口と全身の健康を学べるWebマガジン
https://www.jda.or.jp/happysmile2022/column/
フロスと歯間ブラシはどう違うの?
歯と歯の間を磨く器具ということから、フロスと歯間ブラシを一緒のものと思われている方もいますが、フロスは「糸」、歯間ブラシは「ブラシ」です。
フロスは歯と歯が接している部分を磨くことができます。
歯と歯の間が狭くても磨くことができます。
歯間ブラシは、歯と歯が接している部分を磨くことはできませんが、歯と歯の隙間や、歯の根元が歯ぐきから露出している部分が多い場合は、根のカーブに沿って汚れを落としてくれるため、歯垢除去に有効です。
フロスと歯間ブラシは得意とするところが違いますので、必要に応じて使い分けすることになります。
デンタルフロスと歯間ブラシを比較すると、歯間ブラシの方が歯垢の減少や出血の改善において良好だったという報告が多いとされています。
歯間ブラシの種類
ハンドルの種類
一体型
ハンドルとブラシが一体になっているタイプです。
柄が短いので、指先で持ちやすく、動かしやすいのが特徴です。
一般的に市販されているのがこちらのタイプです。
ブラシ交換型
先端のブラシ部分のみ交換できるタイプとなります。
先端の角度を変えることができる商品もあります。
あまり薬局では見ないのですが、ハンドルが長い商品があり、奥歯に届きやすいので、奥歯を磨きたい方にはいい商品です。
一方、ブラシ交換部位の固定が緩みやすいということもありますので、そこは注意が必要です。
ハンドルのタイプ
L字(アングル)タイプ
角度は90°~120°など各種ありますが、角度がついているので、奥歯に届きやすい形状です。
一般的に思い描く形がこちらではないでしょうか。
奥歯の歯の間、一番奥の歯の奥側、ブリッジの間、矯正治療中の方に磨きやすい形状となります。
ストレートタイプ
まっすぐな形です。
前歯には、入れる方向の確認がしやすいので使いやすい形状です。
ブラシの少し下からある程度曲げることができる商品が多く、曲げて奥歯を磨くこともできます。
カーブタイプ
前歯、奥歯両方に入りやすくなるように少しカーブがついています。
奥歯にも入りやすい形状ですが、商品の種類は多くありません。
ブラシの形
ストレートタイプ
ブラシの太さが均一です。
どこを使用しても均一のブラシ圧で清掃できます。
テーパータイプ
根元の方が太く、先が細いタイプです。
根元の方が毛の長さが長く、根元に近づくほどブラシ圧が強くなります。
歯の間に入れやすいのですが、出すときに根元が引っかかり引き出しにくいことがあります。
バレルタイプ
ブラシの中央部が長く、両端が短い毛先になっているタイプです。
1サイズで複数サイズを兼用できると言われています。
歯の根のくびれにもフィットしやすいため、清掃性に優れていると言われています。
歯科医院での取り扱い商品(2024.12現在)ですのであまり見かけないかもしれませんが、毛が長いので、磨くことのできる範囲が広く、あたりがソフトな感じがします。炎症の強いところにもお勧めです。
ブラシの色
通常は色がついていませんが、毛の部分が白黒になっているものがあります。
白い部分は出血、黒い部分で歯垢を見るために色を分けているそうです。
ブラシの使用回数
使う度に洗って、乾燥させて使用できる製品と、1回使い切りを勧めている製品がありますので、取り扱い方法をよく読んでから購入しましょう。
ブラシの毛先がつぶれてきたら、交換しましょう。
汚れを落とす効率が落ちるだけではなく、歯や歯ぐきを傷つける可能性があります。
毎晩使って、1週間~10日で交換のことが多いようです。
使う部位や頻度によって変わりますので、状態をみてから使うようにしてくださいね。
ワイヤーのタイプ
コーティングされていないタイプ
安価で販売されているものがあります
コーティングされているタイプ
ワイヤーで歯を傷つけにくいと言われています
ゴムタイプ
シリコンでできており、ワイヤーを使用していないので、傷つける心配はありません。
初心者でも使用しやすいのですが、汚れを落とすということに関しては、通常のブラシより清掃性が劣るようです。
ワイヤーが刺さったら怖いという方は、このタイプの歯間ブラシから始めて、慣れたら通常のワイヤータイプに移行していくという方法もいいかと思います。
ブラシのサイズ
一番難しいのが歯間ブラシのサイズの選び方
現在はSSSS、SSS、SS、S、M、L、LLがあります。
0~6といった表記にしている製品もあります。
自分がどのサイズかわからないという方は、まずは細めから始めてみるといいでしょう。歯の間に入れて、抵抗が少ないサイズを選びます。
歯間ブラシを入れて、すぐに折れ曲がるようであれば、サイズあっていない、大きすぎるという可能性があります。
薬局で売られている歯間ブラシは、サイズが合わなければ交換可能という製品もあります。
歯と歯の間のサイズは変化していきますので、まとめ買いはせず、自分にサイズが合っているかどうかを確認してから買い足すようにした方がいいでしょう。
誤ったサイズを使用すると、歯ぐきを傷つけたり、歯ぐきを下げてしまったりすることがあるため、歯科医院で歯科衛生士に歯間ブラシのサイズをアドバイスしてもらうのがお勧めです。
当院でも衛生士が歯間ブラシについてアドバイスをしています。
今使っている歯間ブラシがお口の中にあっているのか心配な時は、使用しているものをご持参ください。
実際にお口の中を確認して、サイズをアドバイスいたします。
※参考サイト 厚生労働省 e-ヘルスネット 歯間ブラシの使い方
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-09-002.html