ガッタパーチャって何?歯の治療で??と思った素材について解説
2025年01月16日
「ガッタパーチャ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
根の治療の際、最終的な薬を詰める、ゴムを詰めるといった説明は聞いたことがあるかもしれません。
根の治療の最終段階で使われるガッタパーチャ。
このコラムでは、ガッタパーチャが一体どのような素材で、どのような治療に使われているのかについて解説していきます。
ガッタパーチャとは?
ガッタパーチャは主にマレーシアからソロモン諸島の熱帯雨林に生育するガッタペルカの木から採取されます。マレー語でガッタは「ゴム」を、パーチャは「木」を意味しています。
この木から作られる天然ゴムを加工して、ゴルフボールのカバー材や歯科の根管治療で使われる根管充填材として利用されています。
レントゲン写真で確認できる、根管の中に詰まっている白いものが、ガッタパーチャです。
棒状のガッタパーチャをガッタパーチャポイントといい、ガッタパーチャ、酸化亜鉛、硫酸バリウム等で構成されています。
硫酸バリウムは造影剤の役割を果たします。他、酸化ジルコニウムが造影剤として配合されているものもあります。
メーカーによって配合は変わりますが、ガッタパーチャは20%程度含まれています。
ガッタパーチャを使った根管治療の流れ
虫歯が大きくなりすぎて、歯の神経まで達していたとき、痛みが強くでることがあります。
根管治療(根の治療)は、痛みを取り除くために、歯の根の内部にある神経や血管を取り除き、消毒した後、根管を密封する治療法です。
根管治療は主に下にあるような流れで治療が行われますが、根管治療の最後に行われる、根管内に詰める処置にガッタパーチャが使われます。
- 感染源・虫歯の除去: 歯の根の内部にある感染した神経や細菌を取り除きます。
- 根管の拡大: 根管の形を整え、消毒しやすい状態にします。
- 消毒: 薬剤を用いて、根管内を消毒します。
- 根管の充填: 根管内にガッタパーチャを充填し、緊密に詰め込みます。
根の中に棒のような白いものが入っていたら、それは神経を取り除いた歯ということになります。
ガッタパーチャがなぜ根管治療に使われるのか?
・柔軟性が高い: ガッタパーチャは、歯の根管の形が複雑でも、その形状に沿ってある程度柔軟に充填することができます。
・生体親和性が高い: 人体の組織に対して刺激が少ないため、アレルギー反応を起こしにくい素材です。※全く起こらないというわけではありません。
・X線透過性が高い: レントゲン写真で確認しやすく、治療の経過や充填状態を正確に評価することができます。
・長期的な安定性: 時間の経過とともに変形したり、収縮したりすることが少なく、長期的な密封性を確保できます。
通常の状態では、ガッタパーチャは根管に残ります。そのため、乳歯の根管充填にはガッタパーチャは使用しません。乳歯は生え変わる前に歯の根が吸収されていくため、吸収されないガッタパーチャではなく、吸収される材料を使用します。
昔はシルバーポイントといった銀を詰めていたこともありますが、現在はほとんど使用されません。
まとめ
ガッタパーチャは、根管治療に欠かせない材料です。
生体親和性にも優れているので、アレルギー等が心配な方も比較的安心していただける材料です。
もし、根管治療について不安や疑問点があれば、歯科医師にご相談ください。