虫歯予防に効果的な歯磨き粉の選びかた・基準が2023年から変わりました
2023年04月02日
歯磨き粉、ドラッグストアにものすごい種類の商品があって、何を買ったらいいのか迷いますよね。
この歯磨き粉、今市販されているチューブタイプのほぼ90%にフッ素が配合されています。フッ素配合の歯磨き粉の虫歯予防率は30~40%と言われています。
目次
フッ素の効果
1. 歯の質を強化
虫歯菌は、食べ物に含まれる糖質を使って酸を作り出します。
この酸が虫歯の原因となります。
歯の表面にあるエナメル質は、ハイドロキシアパタイトという結晶でできていますが、フッ素が作用することによって、フルオロアパタイトという酸に強い結晶に変化します。
これによって酸に対して溶けにくい、強い歯になります。
2. 再石灰化の促進
酸が歯のリン酸やカルシウムを溶かすこと(脱灰)によって、虫歯になっていきます。
唾液によって酸が中和されると、歯から溶け出した歯のリン酸やカルシウムを補給、修復して元に戻してくれる「再石灰化」が起こります。
フッ素は、その再石灰化を促進してくれます
3. 虫歯菌の活動を弱める
虫歯菌が糖を分解するための酵素(エノラーゼ)の働きを弱めるため、酸の生産が抑制されます。
歯磨き粉の推奨される利用方法が変わりました
歯磨き粉について、どのくらいのフッ素濃度のものをどのくらい使用したらいいかの目安として、2023年1月、日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科医学会の4学会が合同で、「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」を発表しました。
今まで、歯が生えてから2歳までは、500ppmF濃度のものを使用するよう推奨されていましたが、2023年1月から、1000ppmFに変更となりました。
また、6歳から14歳までは、1000ppmFが推奨されていましたが、6歳以上では1500ppmFが推奨されるようになりました。
歯科専売のものは、フッ素濃度が記載されているものがほとんどですが、市販のものにはフッ素濃度が記載されていないものもあります。
ドラッグストアでは、高濃度フッ素配合と記載のあるものが、1450ppmFになっています。
よく記載を確認して、ご購入ください。
※詳しい内容はこちら
4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法
https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230106.pdf
フッ素を残すための工夫
フッ素は、お口の中で、歯や粘膜に残って、少しずつ唾液と混ざることで効果を発揮します。
フッ素をお口の中にとどめるよう、使用方法も推奨がされています。
1.就寝前に歯磨きをする
唾液の分泌は、夜に少なくなるため、細菌が繁殖しやすくなります。
そのため、就寝前に丁寧に歯磨きをすることが大切です。
就寝前に歯磨きをすると、その後飲食したりしないので、フッ素の成分が残りやすいというメリットもあります。
2.うがいは少ない水で1回のみ
歯磨き後は、大さじ1杯のお水でうがいをしてくださいというと、そんなに少ない量なんですか?と驚かれます。
歯磨き粉の効果を十分に発揮させるには、5~15mlの少ない水を使用して1回のうがいをし、その後1~2時間は飲食を控えることが推奨されています。
大量の水で何度もお口をすすぐと、お口の中に残るフッ素の量が少なくなってしまいます。
最後に少量のうがいを心がけましょう。
どうしても、しっかりとうがいをしたい方は、2回歯磨きをする、ダブルブラッシング法という方法があります。
1回目は、歯磨き粉をつける、またはつけずに歯磨きをして、十分にうがいをします。
2回目は、フッ素配合歯磨き粉をつけて、全部の歯にのばすようにつけて少ない水で1回うがいをする
この方法ですと、納得いくまでうがいができますので、試してみてください。
歯磨き粉、どんなものを使用したらいいの?
今使っている歯磨き粉は自分に合っているのかな?
歯磨き粉について聞きたいことがありましたら、当院のスタッフまでお気軽にご相談ください。