フッ素の働きを調べよう~一日でできる自由研究にチャレンジしよう!
2023年08月03日
今回は夏休みということで、フッ素の効果についての自由研究です。
ライオン歯科衛生研究所のページで紹介されている自由研究を実際にやってみました。
1日でできて、身近なものでできる!!!しかも簡単!!
自由研究風にまとめてみました。
用意するもの
・フッ素入り歯磨き剤
・お酢(※今回は手持ちの酢で代用しています)
・卵(赤い卵)
・透明な入れ物 ※ガラスがお勧め
・油性マジック
・キッチンペーパー
※参考ページ ライオン歯科衛生研究所
https://www.lion-dent-health.or.jp/hamigakids/research/experiment_01/
フッ素の働きについて調べる
研究のきっかけ
フッ素の効果をわかりやすく伝える方法がないかな?と調べているうちにこの実験を知った。
実験方法
1.卵の真ん中に油性マジックで線を引き、半分に〇・◎マーク、半分に×マークを付ける
2.〇マークを書いたところにフッ素入り歯磨き剤を塗る(フッ素濃度1450ppmF)
◎マークを書いたところにフッ素塗布で使う高濃度フッ素を塗る(フッ素濃度9000ppmF)
※歯医者さんにしか高濃度フッ素はありません。ご家庭では歯磨き剤をご使用ください
3.濡らしたキッチンペーパーでくるみ、約半日ほどおく
今回は9:00~13:00まで置いておきました
4.半日後、歯磨き剤をふき取り、2倍に薄めたお酢に卵を入れる
5.卵の様子を確認する
6.酢につけた直後、30分後、1時間後で観察をして、差が出るか観察した
※今回は、フッ素塗布で使用する高濃度フッ素も使用して比較していますが、ご家庭では歯磨き剤だけで実験可能です。
歯の成分は主にリンとカルシウムからできています。卵の殻も主にカルシウムでできているので、卵の殻を歯の代わりとしています。酸性になると歯は溶け出し、さらに進んで穴が開くと虫歯になるのですが、この酸性の状態を酢で作っています。
予想
歯磨き剤、高濃度フッ素をぬったところと塗っていないところで反応に違いが出る。
塗らないところは溶ける。
結果
【お酢につけた直後】
×マークの付いた表面から泡が出てきた。
〇マークの付いた表面は泡がなく、変化はなかった。
◎マークの付いた表面は泡がなく、変化はなかった。
【30分後】
〇マークの付いた表面から泡が出てきた
◎マークの付いた表面からは泡がなく、変化はなかった
【1時間後】
×マークの付いた表面、卵の表面の層がはがれてきた
〇マークの付いた表面から泡が出てきた
◎マークの付いた表面は泡がなく、変化はなかった
わかったこと
泡は卵の殻が酢の酸に溶かされて出てきたものだった。
歯磨き剤の中のフッ素が、〇マークの表面を酸から守り、卵を強くしている。
1時間がたっても◎の部分は溶けなかった。高濃度のフッ素の方が、効果が高いことが分かった。
今回は卵の殻が歯の代わり、酢が虫歯になる状態の代わりであるが、フッ素のコーティングによって歯が守られていることがわかった。
フッ素は、歯の質を強くして、酸に溶けにくくしてくれたり、歯を修復してくれる助けになったり(再石灰化の促進)、虫歯菌の働きを抑える効果があることがわかった。
感想
フッ素を塗ったところが溶けにくいことに驚いた。
虫歯予防のために、フッ素入り歯磨き剤を使おうと思った。
実験をしてみて
いかがでしたか?
この実験では、1時間までの結果を見ていますが、もう少し長い時間観察したり、歯磨き剤のフッ素の濃度、フッ素を塗ってからの時間などを変えて観察してもいいかもしれません。
フッ素の働きや他に使われているものがないかを調べても面白そうです。
色々試してみてくださいね。
卵の殻は炭酸カルシウムCaCO3でできています。酢の主成分は酢酸ですので、CH3COOH。反応することで、酢酸カルシウムと水と二酸化炭素ができます。
CaCO3+2CH3COOH→Ca(CH3COO)2+H2O+CO2
化学反応式はこのようになります。
懐かしいですね。泡の正体は二酸化炭素です。
ガスが発生しますので、しばらく時間をおいて観察したいときは、しっかり蓋をすると危ないので、ふんわりラップをするか、ラップに穴をあけてガスを逃がすようにした方がいいと思います。
また、酢のにおいがしますので、換気の準備も忘れずに。
実験してみると、フッ素入りの歯磨き剤、効果があるんだ!と思えませんか?
日々の歯磨き剤はフッ素入りのものを選んで、歯を守りましょう。
また、フッ素塗布、フッ素洗口もお勧めです。ご興味ある方は気軽にスタッフにお尋ねくださいね。
※フッ素を使用することに抵抗のある方は、日々の食事や歯磨きで虫歯予防をしましょう。
歯磨き剤の使用法はこちらのページを参照してください。