虫歯になりにくいおやつで、笑顔を守ろう!
2024年05月10日
子供も大人も大好きなおやつタイム。
今回は、虫歯になりにくいおやつについてご紹介します。
※あくまでも「なりにくい」であって、「ならない」ではありせん。
目次
虫歯になる原因はやっぱり糖
甘いものは虫歯になるというのは皆さんご存じですよね
虫歯菌は、糖を分解して酸を作り、歯を溶かします。
ノンシュガーや糖類0と表示されている食品は、100g中の砂糖が0.5gと少ないので、虫歯になりにくい食品になります。
歯にやさしい、砂糖不使用と表示されているのに、他の糖が入っていることもありますので、表示をよく見て選んでください。
原材料名で、砂糖が1番目、2番目に表示されているものも多いです。
※原材料名は、使用した原材料を全て重量順に表示するのが原則
今度自宅にあるお菓子を確認してみてはいかがでしょうか。
ハチミツは虫歯にならない?
ハチミツは花の蜜のスクロース(ショ糖)をハチの酵素で単糖類のフルクトース(果糖)とグルコース(ブドウ糖)にしたものです。
ハチミツには抗菌作用があると言われますが、糖が多く含まれますので、虫歯の原因になってしまいます。
昔、果糖は虫歯菌から作り出される不溶性グルカンの材料にならないため、虫歯の原因にならないといわれてきました。
今は、虫歯菌は様々な糖から酸を作ることがわかっていますので、果糖でも虫歯にはなります。ショ糖に比べてリスクは低くても、虫歯になる可能性があるのです。
喉のために、マヌカハニーをなめて寝ていますという患者様がいらっしゃいました。
抗菌・殺菌作用があるので、虫歯にはならないって聞いていますとおっしゃっていました。
抗菌作用があるから虫歯になりにくいという情報も探すと出てきますが、ハチミツの基本は糖質ですので、虫歯にはならないと言い切ることもできません。
実際、その患者様は虫歯治療が必要となってしまいました。
食習慣や歯磨きの状態、唾液などハチミツ以外の要因もありますが、マヌカハニーは虫歯にならないと過信はしない方がいいでしょう。
甘くないおやつなら虫歯にならないよね?
ポテトチップスなどのスナック菓子は虫歯にならないのでしょうか。
ポテトチップスやおせんべいなどの甘くないお菓子は、デンプンが主成分のため、砂糖は使われていません。
そのため、虫歯に「なりにくい」おやつになります。
甘くなくても、デンプンは、唾液の中のアミラーゼという酵素によって分解され、虫歯菌の餌となる糖が生成されますので、虫歯になる可能性があります。
また、何日もプラーク(歯垢)が歯についている状態、歯磨きができていない状態だと、甘くない食べ物でも、虫歯になりやすくなります。
甘くないおやつは、砂糖が入っている甘いおやつに比べると虫歯になりにくいおやつになりますが、虫歯にならないわけではありませんので、しっかりと時間と量を決めて食べることが大切です。
虫歯になりにくいおやつ
では、具体的にはどのような飲みもの、食べ物が虫歯にならないのでしょう
虫歯を心配せずに飲んだり食べたりすることができるのは、こちら。
ポイントは糖が入っていないことです。
水、麦茶、紅茶、コーヒー、牛乳
チーズ、ナッツ類、生野菜
※砂糖が入っていないものに限る
ということは、紅茶に砂糖を入れずに牛乳を足すのはOKということになります。
・・・でも、なんだか期待しているおやつではない。
甘いものも食べたい、もうすこしバリエーションが欲しいな…という時は、こちらのポイントを意識して選びましょう。
- 糖分が少ない
- 短時間で食べ終わる
- 歯にくっつきにくい
- キシリトールが入っている
砂糖控えめでお口の中からすぐになくなるもの・・・
ゼリー、プリン等は甘いのですが、すぐに食べ終わり、歯にはくっつきにくいです。
アイスクリームも短時間でお口の中から無くなります。
果物も同様です。
これらは比較的甘いものの中でもマシなおやつになります。
逆に、長時間お口に入れる甘いもの、飴やガム、歯にくっつくキャラメルなどは非常に虫歯になりやすいおやつになります。
その次がチョコレート、クッキーでしょうか。
チョコレートの成分の4割弱は砂糖です。なかなかの砂糖の割合です。
虫歯になりにくいおやつを選ぶ習慣をつけましょう。
甘いものを食べたい!キシリトールなら大丈夫なのでは?
キシリトールガムで知られているキシリトール。
糖アルコールといわれる種類の砂糖で、虫歯になる可能性はほとんどありません。
虫歯菌が栄養として使うことができないからです。
糖アルコールの仲間には、キシリトール、マルチトール、還元パラチノースなどがあります。
一度に多く食べるとお腹が緩くなることがあること、砂糖よりもおいしくない気がする、ちょっとお高め・・・というデメリットはありますが、虫歯になりたくないけど、甘いものは欲しい!という時には試す価値ありです。
虫歯になりにくい糖が入っているおやつを選ぶようにしましょう。
特に、飴やガム等長時間お口の中にあるような甘いお菓子の糖を置き換えるだけでもいいと思います。
キシリトール入りのチョコやタブレットなら絶対大丈夫かというと、こんなことも。
キシリトールタブレットは虫歯にはなりにくいですが、甘いものを食べる習慣はできてしまいますので、小さい頃から甘いキシリトールタブレットを与えていると、いずれ砂糖入りのラムネ・タブレットなどに移行していく可能性があります。
キシリトールは、上手に取り入れて虫歯予防につなげましょう。
こんなマークがあります
虫歯予防に効果的な食品に対して、トクホマークとともに、「むし歯になりにくい」や「歯が再石灰化しやすい環境にする」といった表示がされています。
他にも、国際トゥースフレンドリー協会認定のむし歯の心配のない食品には「歯に信頼マーク」が表示されています。
これらを参考に食品を選んでみてもいいかもしれません。
おやつタイムは、子供の成長やリフレッシュに大切な時間です。
虫歯になりにくいおやつを選んで、笑顔を守りながら楽しみましょう!
参考サイト
※厚生労働省 e-ヘルスネット キシリトール
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-037.html
う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-013.html
国際トゥースフレンドリー協会
https://www.toothfriendly-sweets.jp/concept_b.html
参考文献
カリエスブック 医歯薬出版