乳歯の生え変わる時期について

2024年09月24日

当院では小児歯科を標榜していますので、お子さんたちも来てくれます。

嬉しそうに、歯が揺れてきた!とお口を開けてくれる姿はかわいいものです。

一方、お友達は歯が抜けているのに、うちの子は全く抜ける気配がない・・・というご相談も受けます。

お子さん自身も他のお友達と違うことを気にしていたりします。

今回は、乳歯から永久歯に生え変わる時期についてお話します。

生え変わりの時期について

最初に永久歯が生えてくるのは6歳前後で、全ての歯が永久歯になるのは12歳前後です。

この生え変わりの期間は、「混合歯列期」といわれており、乳歯と永久歯が混在しています。

永久歯が生える順番と時期はおおよそ決まっています。

西宮北口 歯医者 永久歯生える時期6歳前後に、下の前歯か、奥の6歳臼歯が生えてきます。

前歯が先に生えてくるお子さんと、奥歯が生えてくるお子さんがいます。

その後、下の前歯の横の側切歯、上の前歯の中切歯が生え変わり、さらにその横の前歯が生え変わります。

9歳から12歳にかけては、乳犬歯、乳臼歯が生え変わり、さらに一番奥に第二大臼歯が生えてきます。

これで永久歯列が完成します。

生える時期は個人差がありますので、5歳で生え変わり始めるお子さんもいれば、7歳後半で生え変わり始めるお子さんもいます。

平均の前後1年くらいずれても心配することはありません。

20歳前後でさらに奥に第三大臼歯=親知らずが生えてくる方もいます。

元々親知らずが無い方もいますので、20歳までに一度レントゲンで親知らずがあるかどうかを確認しておくとよいでしょう。

※参考サイト

テーマパーク8020 歯とお口の発生と育ち方

歯とお口の発生と育ち方 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020 (jda.or.jp)

永久歯が乳歯よりも黄色いのですが・・・

下の前歯がが生えてきたとき、隣の歯より黄色い永久歯が生えてきたのですが、大丈夫ですかという質問があります。

乳歯はもともと歯の色としては白いので、横に生えてくる永久歯が黄色く見えてしまうのです。

永久歯の一番表面にあるエナメル質は透明感が強く、その下にある象牙質の色を透過します。

生えてきたばかりの永久歯はエナメル質が成熟していないため、内部の象牙質の濃い黄色がより透けて見えます。また、象牙質の厚さも乳歯よりも厚いので、厚い分、色が濃く見えます。もちろん、色には個人差があります。

乳歯と並ぶと色の差が気になりますが、永久歯が生え変わってくるにしたがって、周囲が永久歯だけになりますので、色の差が目立たなくなり気にならなくなってきます。

正常な状態なので心配はいりません。

ただし、永久歯に黄色の斑点、部分的に黄色いという時には、エナメル質形成不全の可能性がありますので、歯医者さんを受診して見てもらう方がいいでしょう。

前歯の永久歯が並ぶか心配です

生え変わりの時期に、皆さんが心配されますが、永久歯は乳歯よりも大きいものです。

下の前歯では、だいだい5㎜以上の幅が足りなくなる計算です。

足りない分は、骨・顎の成長と、永久歯の歯の傾き、元々の乳歯と乳歯の隙間とで補うことになります。

下の前歯が生えるとき、顎の成長は最大4㎜程度といわれていますので、成長だけでは補いきれない分は、永久歯が傾くことによる隙間や乳歯の隙間によって補うことになります。

乳歯の歯並びに隙間が元々なく、乳歯同士がぴったりと並んでいる場合は、上手く歯が並びきらない可能性が高くなります。

そのため、顎を子供のうちから発達させることが大切です。

顎を発達させるには、硬いもの、たとえば、スルメを咬ませたらいいのでは?と思われるかもしれませんが、硬い食べ物自体噛むことができなかったり、嫌がったりすることもありますので、歯ごたえのある、噛む回数が増えるような食べ物を選ぶといいでしょう。

いつもより大きく食材を切って噛ませるようにしたり、ニンジン、レンコン、ゴボウなどの根菜類、葉物野菜、海藻類などもお勧めです。

歯ごたえが残るような調理法だとより効果的です。

お菓子も、おせんべい、ガムなどの噛むものにしてみてもいいでしょう。

グミも噛むことに関してはいいのですが、砂糖が長時間お口のなかに入るので、虫歯の観点からはあまりお勧めできません。

歯並びは、唇と頬が歯の外側から、舌が歯の内側から押す力によっても変わります。

唇と舌のバランスのいいところに歯が並びますので、舌の力が大きすぎると、前に出た歯並びになりますし、唇の力が大きすぎると内側に歯が倒れた状態になったりします。

口周りに変な癖が無い方が歯並びは整いやすくなります。

歯の数が足りない?

永久歯の数が足りないお子さんが一定数いらっしゃいます。

側切歯(真ん中から2番目)と第二小臼歯が無くなることが多いようです。

大人の歯が元々ないことを先天性欠如といいますが、その割合は約10%にもなるそうです。

1本足りないお子さんは約5%、2本足りないお子さんは約3%にもなるそうです。

もし、いつまでも乳歯が抜けず残っていることがことがあれば、一度歯医者さんに相談しましょう。

まとめ

永久歯の生え変わりは、お子様の成長における重要なイベントです。

この期間をスムーズに過ごすためには、保護者の皆さんのサポートが不可欠です。

歯科医と協力しながら、お子様の歯の健康を守っていきましょう。