歯周病のかかりやすさはある?

2025年02月10日

歯周病は歯ぐきに炎症が起こり、歯を支えている骨が溶けて、最終的には歯がグラグラになり、抜けてしまう病気です。

歯周病は、歯を失う原因の1位、日本人の40歳以上の約8割がこの病気に罹っていると言われています。

歯周病は様々な要因が複雑に絡み合って発症・進行するため、人によってかかりやすさに違いが出てくるのです。

今回はかかりやすさの違いについてお伝えしようと思います。

※テーマパーク8020 歯周病

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歯周病のかかりやすさが人によって違うのはどうして?

歯周病は、歯周病菌に感染することから始まります。

歯周病菌の攻撃に対して、体の抵抗力が勝っている、もしくはバランスがとれていれば、歯周病は発症しないと言われています。

細菌の病原性が高くなってきたり、抵抗力が落ちてきたりすると、歯周病が発症します。

歯磨きが良くない場合でも、抵抗力が強く歯周病が発症しない人もいれば、歯磨きはしっかりよくできているのに、抵抗力が弱いために歯ぐきが腫れてしまうといったことが起こるのです。

細菌の病原性と抵抗力のバランスが崩れる原因は様々です。

細菌の病原性が高くなる

歯磨きが上手にできない人

西宮北口 歯医者 歯周病歯磨きが不十分だと、プラーク(歯垢)が溜まり、歯周病菌が増殖します。

歯周病菌には様々な種類があり、病原性に違いがあります。

かなり病原性の高い細菌がそろっている方は4割くらいといわれています。

病原性が高い細菌がいる方は歯周病が進みやすく、それほど病原性が高くない細菌を持っている方の歯周病はマイルドに進行すると言われています。

それほど病原性が高くない細菌でも、菌量が増えると歯周病は悪化します。

これらの細菌は、最初は母親から、続いて周辺家族からの唾液感染、友達、パートナーなどの唾液感染を受けて細菌の種類が決定されて、やがて固定されると言われています。

病原性の高い細菌がいる状態が固定されると、その固定の菌を完全に無くすことは難しくなります。

病原性の高い細菌がいる人でも、セルフケアと歯医者さんで行うプロケアを組み合わせることで歯周病の発症を防ぐことができます

歯ぐきから出血する人

西宮北口 歯医者 歯肉出血歯周病菌は、血液を栄養として活動を活発化させます。

そのため、病原性が高くなり、歯周病が発症、進行します。

特に、病原性の高い細菌が血液から栄養を得るとさらに病原性が高まります。

歯ぐきから出血が無い状態であれば、細菌は栄養をとることができませんので、歯周病を発症するリスクは下がります。

歯磨きで出血すると、歯磨きを控えたり、歯ぐきが傷つきにくい柔らかめの歯ブラシに変更したりする方が多いのですが、かえって磨き残しが増えて、出血の原因になったりします。

歯磨きで出血するのは、歯茎に炎症が起きた時ですので、しっかりとプラークを落とすようにした方がいいでしょう。

歯ぐきからの出血がおさまらないときは、歯医者さんを受診することが確実な方法です。

抵抗力を下げる原因

免疫力が低い人

歯周病菌の攻撃に対して免疫力が弱いと歯周病が発症します。

免疫力が強いと、炎症が短期間でおさまりますが、免疫力が弱いと、炎症がずっと続くため、歯ぐきへのダメージも続きます。

また、炎症反応の激しさは体質によって異なり、同じ風邪でも熱が高く出る人、出ない人といったように、歯周病菌に対しても、強く反応が出る人、出ない人がいます。

強く反応が出る人は、歯周病が進みやすいことがわかっています。

年齢とともに免疫力は低下していきます。

歯周病が加齢とともに発症率が高くなるのは抵抗力が低下するからです。

年齢を重ねるにつれて、健康に気を付けますが、若いときと同じような免疫力まで高めようというのは限界があります。

歯周病菌の病原性を抑えることで歯周病の発症を抑えることが大切です。

年齢とともに、セルフケア、歯医者さんで行うプロケアが重要になってきます。

生活習慣による免疫力の低下

喫煙、飲酒、睡眠不足、運動不足、ストレスなどの生活習慣によっても免疫力が低下すると言われています。

西宮北口 歯医者 喫煙喫煙は、タバコが有害物質を多数含みそれ自体が害になること、特にニコチンが血液のめぐりを悪くすることで栄養と酸素が不足し、免疫力も低下するため、歯周病菌に対する抵抗力が弱まります。

飲酒、睡眠不足、運動不足はいずれも免疫力を下げます。

食習慣は、全身免疫の70%を占める腸の免疫力に関わってきます。

腸活が言われていますが、正しい食習慣は歯ぐきの健康にとっても大切です。

唾液の減少

西宮北口 歯医者 口腔乾燥症ストレス、病気、服用薬で唾液量が変化します。

睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬、風邪薬などは、唾液分泌低下作用が出る可能性のある薬です。

唾液の分泌量が低下すると、唾液の抗菌作用や洗浄作用が弱まり、歯周病になるリスクが上がります。

お口ぽかん、口呼吸の人

西宮北口 歯医者 お口ぽかん口の中は唾液でおおわれているので、細菌が付きにくい状態になっています。

口を開けていると、口の中が乾燥し、唾液の働きが十分ではなくなるため、唾液の歯周病菌が増幅します。

糖尿病の人

糖尿病になると歯周病になりやすいと言われています。

高血糖が長い間続くと、免疫が低下すると言われています。

また、高血糖になると、脱水症状により、唾液の分泌量が減り、口の中が乾いてきます。

高血糖は、免疫機能も低下させるため、歯周病菌の増殖を許すことにもなり、歯周病が悪化していきます。糖尿病が悪化すると脱水により口腔乾燥が起こります。

唾液が少ないと、歯周病が進行しやすくなります。

歯周病の予防:健康な歯ぐきを守るために

歯周病は、早期発見、早期治療が大切な疾患です。

そのためには、定期的に歯科検診を受け、歯周病の状態をチェックすることが大切です。

自治体によっては、歯の健診を節目年齢で行っています。

日頃歯科を受診する機会が無い方はそのような健診を活用するのもいいでしょう。

免疫力や加齢といった体質的なものは変えられませんが、生活習慣や口呼吸、歯磨きの改善は可能ですので、歯周病になりやすい体質でも、歯周病の発症を抑えることができます。

お口の健康を保つのは自分自身です。

西宮北口 歯医者 歯磨き歯周病の原因であるプラークは、毎日の歯磨きでしっかり落とす必要があります。

最低でも1日1回、できたら2回はしっかりと歯を磨きましょう。

歯ブラシを押しつけないよう、軽い力で磨くよう心がけてください。

特に歯と歯の間のプラークを取り除くことが大切です。

歯と歯の隙間が出てきたら、歯間ブラシが必須になってきます。

適切に使用すれば、歯ぐきを下げることはありません。

※当院コラム 歯間ブラシの使い方

https://www.aobahiro-dc.com/column/2024/4834/

サイズ選びが大切になりますので、心配であれば、歯科衛生士に相談しましょう。

さらに、食生活の改善や禁煙、ストレス解消なども、歯周病の予防に繋がります。バランスの取れた食生活を心がけ、喫煙者は禁煙に挑戦しましょう。また、適度な運動や趣味を楽しむなど、ストレスを溜めないようにすることも大切です。

 まとめ

歯周病は、様々な要因が複雑に絡み合って発症・進行する病気です。

歯周病にかかりやすい人の特徴としては、歯磨きが上手にできない人、免疫力が低い人、ストレスを抱えている人、喫煙者、唾液が少ない人、糖尿病患者などが挙げられます。

歯周病を予防するためには、定期的な歯科検診を受け、毎日の歯磨きをしっかり行うことが大切です。